睡眠時無呼吸症候群を治療するためには、まず現在の状況を把握する必要があります。症状が睡眠中に出ることから、一見診断が難しそうに思えるかもしれませんが、現在ではウォッチパッドを使用することで睡眠中の状況を正確に把握できます。

ウォッチパッドはその名の通り、腕時計のような形状をした装置です。本体を手首に巻き、指先に睡眠状態を測定するためのPATプローブを、胸元にいびき体位センサーを装着します。このウォッチパッドを使用することで、自宅で眠りながら睡眠状態を記録できます。

ウォッチパッドを使用して睡眠時無呼吸症候群の診断をした後、治療を行います。治療にはいくつかの方法があり、症状により最適な治療法が異なります。ここでは当院で行う睡眠時無呼吸症候群の具体的な治療法をいくつかピックアップしてご紹介します。

スリープスプリント療法では、マウスピースを用いて下顎を前に突き出した状態で固定し、舌を持ち上げて気道を広げ、呼吸しやすい状態にします。専用のマウスピースを装着するだけなので身体への負担が小さく、軽度から中度の睡眠時無呼吸症候群の治療に用いられます。また、マウスピースは小型なので、旅行や出張時などに持ち運びしやすい点もメリットです。

医科から紹介があれば、保険内でこちらを適用することが可能です。データに基づいてご提案させていただきます。

上下の顎に装着しているマウスピースにアンカーを取り付け、睡眠時に口が開閉しても水平運動が可能なように調整を行うことが可能です。可動領域（前方・側方）の自由度を広げることも可能なので、できるだけ負荷をかけずに治療を行うことができます。70,000円（税抜）

いびきの対策として開発されたマウスピース。顎はすこし前に出ますが、出てる量はそこまでではありません。舌も持ち上げることができることから、少し楽な状態で装置を装着できます。ただ、寝ているときに口にテープを貼る必要があります。45,000円（税抜）

睡眠時無呼吸症候群は症状の重さにより治療法が異なります。軽度から中度であれば、マウスピースなどの簡易的な装置を用いた自宅での治療が可能です。一方、重度であれば顎顔面形成術や舌骨上筋群牽引術といった治療が必要となるケースも。

その判断に使われるのが頭部X線規格写真（セファログラム）です。腔内や気道の状態を確認できるため、睡眠時無呼吸症候群の原因や深刻度などを総合的に判断できます。

顎の動きを検査することで異常がないか、問題点がないのかを判断できる機械となります。主に顎関節の機能診断が可能で、普段に睡眠時無呼吸症候群になってしまっている方だと顎の機能にまで影響が出る恐れがあるので、どこまで悪くなっているのか知ることができます。そこから治療計画などにもつなげていきます。

小形のカメラで口腔内のスキャン（撮影）することで、歯の形をモニター上に立体再現することができます。そこからマウスピースの型どりを行い、睡眠時無呼吸症候群の治療に繋げていきます。

睡眠時無呼吸症候群にはさまざまな原因があります。肥満により首周りの脂肪が気道を圧迫してしまうのもひとつの原因です。その場合、生活指導による治療を行います。定期的な運動や規則正しい食生活、就寝前の行動など、総合的に生活習慣を改善することで睡眠時無呼吸症候群を改善できるケースもあります。

フリージア歯科クリニックでは、専用装置を使った治療だけでなく生活指導による症状改善も行います。睡眠時無呼吸症候群の原因が複数ある場合、ひとつの治療法だけでなく、さまざまな角度からの改善を目指すことが大切です。